食べる順番について

昨今は食べ順についてかなり理解が浸透していますが、糖質制限食を続けている方々を中心に「肉から先に食べた方が良い」との情報が多々あります!
糖質制限食では良質な油脂(EPA・DHA)を薦めているわりには、なぜか魚介類ではなく、肉食を奨励していることにはあえて触れませんが、特に焼肉のたれなどで味付けしていない肉ならば肉から先に食べても同様に食後血糖値は抑制されます。

しかし、なぜ私が2001年に出版した「低インシュリンダイエット」では野菜から先に食べることを奨励しているのか?
結論から言うと「野菜や海藻不足を解消させるため」でもあるのです!
野菜には不溶性食物繊維が多く、海藻には水溶性食物繊維が多く含まれている傾向にあります、食物繊維は腸管での吸収が出来ないのでカロリー0になっていますが、腸内細菌によって分解され、約2kcal/gのエネルギーとして体内に戻され、短鎖脂肪酸としても供給されます。
食物繊維は食後血糖値を制御するだけではなく、プレバイオティクスとして腸内細菌に供給されて腸内環境(腸内フローラ)を整えます、ヨーグルトに含まれるプロバイオティクスは生きたまま腸内へ吸収させる目的ですが、同時にプレバイオティクスも補ってこそ有効となります。
因みにプロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を兼ね備えることを「シンバイオティクス(synbiotics)」と言います(「syn」は「新」ではなく「一緒に」という意味を持ちます)。
今では「脳腸相関」という言葉が周知されるようになっていますが当時は腸及び腸内細菌の大切さや重要性が一般的にあまり知られていませんでした。
アスリートでさえも筋肉づくりを優先するあまり肉中心の食事となって、野菜類を食べない場合も多く、特に男性の独身生活者では食物繊維を摂らない人たちが目立ちました。
私の研究は元来「生活習慣病の運動療法と食事療法」ですのでダイエットに限らず健康的な食生活や生活習慣を追求することが使命です。
従って食生活の新しい概念を啓蒙する上では食物繊維を優先させる必要がありました、確かに肉・魚介類を先に食べても同様の効果はありますが、野菜や海藻を先に食べると後から食べる糖質(炭水化物)の吸収を穏やかにすることで食後血糖値の急上昇は抑えられて、ゆっくり吸収されるので腹持ちも良くなり、途中で空腹になりにくいので間食が減り、精神的にも安定する上に腸内環境も整えられるようになります。
野菜(食物繊維)を先に食べる習慣が付けば食事に野菜類を欠かすこともなくなります。
また、炭水化物は糖質+食物繊維+水分です、ご飯に含まれている食物繊維は少ないのですが、満腹感を感じやすく、毎日の主食になっていることで1日に摂取される食物繊維に占めるご飯の割合は10%以上となっています。
もしご飯を減らしたり食べない日には別途に野菜や海藻などによる食物繊維と水分を補って下さい。

 

追記
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