世界中の肥満者が増えるほど気候変動に影響する可能性があるらしい!

2020年12月20日付けで医学雑誌「Obesity」(オンライン版)にコペンハーゲン大学/Faidon Magkos氏(デンマーク)により、世界的に肥満者が増えると温室効果ガスの排出量を増やすことで気候変動の一因となる可能性を指摘する研究報告が掲載されました。https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/oby.22657

Faidon Magkos氏は「今回の分析結果は、肥満を減らすことは罹患率や死亡率の低減、医療コストの削減に有益なだけでなく、地球環境にも好ましい影響を与える可能性があることを示唆するものだ」と説明しています。

生命活動のために酸素が必要な他の生物と同じように、人間は生命維持に必要な代謝プロセスによって二酸化炭素を産生する、生物が産生する二酸化炭素の排出量は、その生物種の平均的な代謝率や体のサイズ、個体の総数によって決まる。

そこでMagkos氏らは様々な産生源からの温室効果ガスの排出量に関するデータを分析した結果、肥満者では適正体重者よりも二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素などの温室効果ガスの排出量が最大で20%多いことが推定されました。

肥満者の場合は、体重維持に必要なエネルギー消費量が多いので多くのエネルギーを摂取する必要があり、肥満者が増えると、食料の生産量と輸送のための燃料の使用量も増加する。

更に肥満者が自動車や電車或いは航空機などによって移動する際にもより多くの燃料が必要になると言います。

従って「肥満は食料生産とその輸送を増やし、結果として温室効果ガスの排出量を増加させる一因となっている」と説明し、その上で「肥満の影響で、世界中では年間約700メガトンもの余分な温室効果ガスが排出されている可能性があり、これは世界の温室効果ガス排出量全体の約1.6%に相当する」と述べています。

最後に今回の研究結果は、肥満治療に関わる全ての人にとって重要な意味を持つ一方で、「この結果を受けて、既に差別や偏見に直面している肥満の人々に対し、更なる非難を浴びせることがあってはならない」と付け加えています。

しかし、温室効果ガスの原因として牛や羊のゲップから排出される二酸化炭素のせいにしたり、今回のように肥満者のせいにしたりと後が絶ちません!

植物が酸素を産生して、生物は酸素を利用して生命活動を続けながら二酸化炭素を排出する、そして二酸化炭素を植物が利用する。
自然破壊が進む中でこの絶え間ない循環が崩れているのかも知れませんね?!

 

追記
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